【連載企画#60】仕事について話そう
2022年6月14日
カテゴリー: 徒然ブログ
この記事は、キャリアコンサルタントコミュニティ「キャリコンサロン」内で発足された「編集部」の【note週イチ投稿企画】で執筆した記事をベースに掲載しています。 |
仕事とは何か
「仕事」とは何でしょうか。
私はこのお題を見た時に、10年前に参加したキャリアデザインのワークショップを思い出しました。
「確かその時に考えた仕事の定義がどこかに書いてあったはず……。」
曖昧な記憶を頼りにゴソゴソ資料を漁ったところ、走り書きのメモが出てきました。
目的を達成するために行動することが仕事である。 |
ちなみに辞典で「仕事」を調べてみると、下記のように定義されています。
① すること。したこと。しなくてはならないこと。しわざ。また、からだを動かして働くこと。作業。 ② それによって生計をたててゆくための職。職業。業務。 ③ 事をかまえて、ふつうでない行動をおこすこと。また、悪事を働いたりたくらんだりすること。 ④ 針仕事。裁縫。 ⑤ 力学で、ある物体に力を作用させその位置を移動させること。その量は力の大きさと動いた距離との積であらわされる。単位はエルグ、またはジュール。 |
他の辞書も調べてみたところ、総じて言えるのは「仕事とは成し遂げたいことを実現するために行動すること」でした。
表現の違いはあるにしても、走り書きのメモと意味合いは同じようです。
ただ辞書の定義とは捉え方が違うなと感じたことがありました。
「仕事=生計を立てること」という解説です。
個人的には生計を立てる行動だけが仕事ではないという想いがあるので違和感を覚えました。
仕事で得られる報酬は金銭的報酬だけではないですからね。
もちろん生計のために働くことも仕事の目的のひとつが、必ずしもすべての仕事を生計に紐づける必要はないと考えています。
なぜ仕事をしているのか
さて、前置きはこの辺にして、そろそろ本題に移りましょう。
「仕事について話そう」と非常にざっくりしたお題ではありますが、どの切り口から話すにしても基本となるのは、仕事をする目的ではないでしょうか。
仕事の定義を書いていたメモにも2つの質問が書き添えられていました。
何のために仕事をしているのか。 仕事をして何を得たいのか。 |
キャリアカウンセリングやワークショップで良く使われる質問です。
自分らしい働き方や生き方をみつけたい時には必ずと言っても過言ではないほど問われる内容だと思います。
ちなみに10年前の私は、「自己実現」「達成意欲」「期待に応えたい」と3つの言葉を書き留めていました。
字を見ただけで、当時ストイックに仕事に向き合ってきた感覚が蘇るものですね。
10年前の私は、体力的にも精神的にもタフさが求められる環境で働いており、目の前の課題は自分のキャパを遥かに超えるものばかり。
引き出しを増やし、思考の限界にも挑戦する必要もありました。
だからこそ、できなかったことができる喜びに達成感があり、加えて尊敬する方の期待に応えて役に立てている自分が誇らしくもありました。
自分を必要としてくれる人がここにいる。
必要とされ続けたい。手放したくない。
自分の居場所を守るために働いていたのかもしれません。
10年経った今は、「心のままに生きるため」に働いています。
やりたい時にやりたいことをやる。
学びたい時に学びたいことを学ぶ。
行きたい時に行きたいところに行く。
食べたい時に食べたいものを食べる。
会いたい時に会いたい人に会う。
色んな自己欲求に蓋をせず過ごしたい。
そんな想いが、働く原動力です。
欲張りなことを言えば、そんな自分がしたことで誰かのお役に立てるなら、こんなに嬉しいことはありません。
「誰かの役に立ちたいが先じゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、まずは自分が満たされていないと、持続的な貢献は難しいです。
個人事業主になったばかりの頃は、正直すり減るまで相手のために働いたこともありましたが、気持ちが萎えてしまいました。
金銭的な厳しさよりも、吸い取られていく感覚に恐怖を感じたのです。
「自己欲求の中に何か役に立つことがしたいという想いがあるのだから、無理する必要はない」と助言してくれた友人の言葉で、当時の仕事を手放すことを決断し、自分の心と向き合いました。
何のために働くのか迷走した時期もありましたが、無理することも背伸びすることもないんですよね。
どんな仕事をしているのか
社会人として仕事をするようになってから20年以上が経ちますが、一貫して「人に関わる仕事」をしています。
人との関りが面倒だったり、ひとりが好きだったりもしますが、やっぱり人が好きなんですよね。
誰ひとりとして同じ人は存在しない唯一無二なところ。
人の組み合わせで可能性が無限に広がるところ。
人との出会いが人生に大きな影響を与えるところ。
挙げればキリがないほど、人についての興味は尽きません。
現在は、ひとりひとりのコミュニケーションスタイルに着目した組織づくりに力を入れて取り組んでいます。
これまで人と向き合ってきた集大成ともいえる事業に育てていけるよう奮闘中です。
私はきっとこれからも生涯にわたって人と向き合って生きていくでしょう。
それが、私にとっての仕事です。
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宮治 有希乃
組織育成パートナー
ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。