【連載企画#119】セカンドキャリアって
2023年8月3日
カテゴリー: 組織育成コラム
この記事は、キャリアコンサルタントコミュニティ「キャリコンサロン」内で発足された「編集部」の【note週イチ投稿企画】で執筆した記事をベースに掲載しています。 |
セカンドキャリアとは
セカンドキャリアとは「人生における第2の職業」のことです。
勤めていた会社を定年退職した後の新たな仕事。
出産や育児がひと段落してから就く新たな仕事。
プロスポーツ選手が引退した後の新たな仕事。
しかし、個人的にはこの「セカンド」という表現には違和感があります。
なぜなら「キャリア=人生」は、あらゆるものが同時並行で行われ、ミックスされているからです。
会社勤めをしながら複業をしている人。
育児をしながら仕事をしている人。
プロスポーツ選手をしながら事業を手掛けている人や所属団体の仕事をしている人。
例を挙げればきりがありませんが、人生を段階的にファースト・セカンドと分けることは難しいのではないかと思うのです。
あえて段階的に区切るなら
セカンドキャリアという言葉が浸透した背景には終身雇用制度がありました。
最初に入社した会社で定年まで勤めあげることが前提になっていて、転職や起業は想定されていません。
サードキャリア以降が存在しないような、そんな印象を受けたりもします。
このことに違和感を覚えながら参加したあるセミナーで講師の先生がこんな話をしてくれました。
私は転職を9回して起業しました。 あえて段階的にキャリアを区切るなら、テンスキャリアです。 あらゆる活動がグラデーション化している中、この区切りはナンセンスとも言えますが、キャリアを振り返るには分かりやすいとも感じています。 段階的に区切ることに抵抗感があるかもしれませんが、あえて区切ってみましょう。 その上で自分のキャリアを振り返ってみましょう。 |
先生の言葉通り、私のキャリアも段階的に3つに区切って整理をしました。
- パソコンインストラクター時代
- 人事・キャリア領域の会社員時代
- 人事・キャリア領域の個人事業主時代
確かに区切ってみると自分の歩みを客観的に把握しやすくなった記憶があります。
もっと細かく分けることもできるのですが、私はどちらかというとざっくりした考えで整理しました。
ただ、人によっては会社ごとに区切っていたり、学生時代も含めて考えていたりと人それぞれに違いがありました。
特に印象に残っているのは「ワンハンドレッドスキャリア」として自身のキャリアを100個に区切った発表です。
50歳までのキャリアを100個に区切っていたことに驚きましたが、段階ごとに強く深い思い入れがあり、自分の人生への愛情と信頼の深さが感じられました。
キャリアを段階的に区切ることと本筋がズレた気づきかもしれませんが、何か大切なことに繋がっている気がしています。
今でも「ワンハンドレッドスキャリア」の締めの発表を思い出すからです。
区切った数だけ人生のページがめくられる。 だから本当は100でも足りないのです。 |
いつからでも何度でも
キャリアは、いつからでも何度でも新しいスタートを切れるものです。
もちろん年齢制限など何かしらの条件があるものは、断念せざるを得ないこともあります。
軌道修正が必要だったり、理想の形で進められないこともあります。
しかし、100%諦める必要はないと信じています。
理想とは違った形でも、何かしらの可能性をつなぐことはできると思うのです。
セカンドと言わず、サードでもフォースでも。
挑戦したい気持ちがある限り、その道は続いていくと思います。
やりたいことがあるなら、そのタイミングで始めること。 可能な範囲で並行することも積極的に。時間は有限! |
セカンドキャリアに限らず、自分が納得のいくキャリアを築いていくうえで大切にしていきたいです。
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宮治 有希乃
組織育成パートナー
ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。