【連載企画#116】やさしさに救われて
2023年7月13日
カテゴリー: 徒然ブログ
この記事は、キャリアコンサルタントコミュニティ「キャリコンサロン」内で発足された「編集部」の【note週イチ投稿企画】で執筆した記事をベースに掲載しています。 |
屋久島・縄文杉トレッキング
気持ちがやさしい方に恵まれていることに感謝する日々ですが、中でも強烈に印象深く心に残っている経験があります。
それは2015年8月に行った屋久島の縄文杉トレッキングです。
体力に自信がなく、運動習慣もゼロ。
中学校時代は陸上部だったのに、長距離走が苦手&遅すぎて呆れられるレベル。
無謀だと自覚はしていましたが、ツアーではなく地元の知り合いの方がガイドを務めてくれるということで挑戦する決意をしたトレッキングでした。
当時の記憶をたどりながら、私がやさしさに救われて無事に下山できた経験を共有します。
朝4時30分出発
縄文杉トレッキングは、往復10時間かかる長丁場の旅路です。
それゆえに朝の出発はもちろん早く、4時30分には宿を出て登山バス乗り場に向かいました。
さすがにこの時間帯は疲労感はありませんが、心なしか笑顔に不安がにじんでいるように感じます。
トロッコ軌道の落とし穴
スタートしてから2時間くらいは、ひたすらトロッコ軌道が続きました。
正直、登山のようなものをイメージしていたので少々拍子抜けで油断してしまったのですが、これが完全に過ちでした。
なぜなら、板の間隔がまちまちで思うように歩幅が合わなかったからです。
後から振り返れば最も歩きやすい1時間だったとは思いますが、それでも疲労が溜まっていくのを実感しました。
そして、トロッコ軌道を半分進んだあたりで、かなり強めの雨に打たれ始めました。
まさに「屋久島は月に35日は雨が降る」の世界。
雨は想定していましたが、私が心底苦手な雷までゴロゴロ鳴り響き、心がえぐられました。
疲労度が一気に増し、怖さで足もすくんでしまったことをハッキリと覚えています。
ついに到着した登山道
トロッコ軌道を抜けた先には、登山道が続いていました。
木製の階段と岩で作られた登山道は、想像を絶するアップダウンで過酷でしかありません。
日常的に運動習慣がないので当然なことなのかもしれませんが、足のプルプルが尋常ではなく、なかなか前に進むことができませんでした。
一般的なツアーの休憩頻度の10倍くらい休みつつ、早々に飲み干した水を湧水で補い、同行してくれた方からチョコをもらって糖分も補給して……。
何とか「ウィルソン株」までたどり着きました!!!(感無量)
樹齢1,000年越えの縄文杉
正直なところ、私は縄文杉よりもウィルソン株が見たかったので、目的を果たした途端、足取りがさらに重くなりました。
どこかウィルソン株がゴールのような感覚で、縄文杉までの道のりはものすごく辛かったです。
あまりに辛すぎて、縄文杉を見た時は感動とは違う、何とも表現しがたい感情に包まれました。
ちなみに記念写真は笑顔に見えますが、これは普段から写真を撮る時に歯を見せる習性のおかげです。
やさしさに救われて下山
縄文杉に到着した時、すでに出発から6時間が経過していました。
往復10時間、遅くなっても11時間が標準と考えると、完全に遅れています。
アップダウンの激しい道のりを下山できるのか。
強まった雨は大丈夫なのか。
日が落ちてしまい、道が見えなくなってしまうのではないか。
色々な不安が渦巻きながらも、気力だけで足を前に進めていきました。
でも限界は来るものですね。
気力もなくなり、本当に歩けなくなってしまったのです。
そんな時に、一緒に同行してくれていた現地のガイドさんが私のリュックを背負ってくれました。
自分のリュックもあるのに、私の分まで背負ってくれるなんて本当に感謝しかありません。
縄文杉を見た時よりも感動で心が震え、一気に気力が戻りました。
おかげで往復11時間かかりましたが、無事に下山に成功!!!(超感無量)
最後は泣きながらの下山でしたが、自力で帰ってくることができて嬉しかったです。
リュックを背負ってもらえなかったら、確実に無理だったと思うので、本当にやさしさに救われた経験になりました。
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宮治 有希乃
組織育成パートナー
ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。