【ストレングスファインダー】「共感性」について考える
2019年10月9日
カテゴリー: 自分磨きコラム
ここ数か月の間で目にするプロフィールや自己紹介に「載せている人が増えたなー」と感じているのが、ストレングスファインダー。
ストレングスファインダーとは、アメリカのギャラップ社が開発した「人の強みの元=才能」を見つけ出すツールで、Webサイト上で177個の質問に答えていくものです。
数年前からその存在は知っていて、自分の強みも知っていましたが、あまり深堀りなどはしていませんでした。
そんな中、急に見聞きする機会が増えると「何か意味があるのかも?」と勝手に思ってしまう性分なので、気付いたら本棚に眠っていた本を引っ張り出していたんですよね。
我ながら単純ですね。笑
ちなみに私の強みトップ5はこの5つ。
「共感性」「個別化」「学習欲」「親密性」「責任感」 |
自分でも特に違和感なく、この結果を受け止めています。
今回の記事では、せっかく引っ張り出した本を元に、私の強みのひとつである「共感性」の観点から、自分のことを振り返っていきます。
「共感性」の特徴
「共感性」とは、人間関係構築力の強みに分類されます。
「他者の感情が自分のこととのように分かってしまう資質」で、感情を察知する感度が非常に高いのが特徴とのこと。
言われてみると、ドラマや映画を観てよく泣きます。
「そこで泣くの?!」という部分でも泣くので、本当にどっぷり感情に浸りたい時は、ひとりで観ます。
また「共感性」が上位の人は、「いつもとなんか違う」「様子がおかしい」という気づきが多く、落ち込んでいる人や変化があった人、体調が悪い人などを的確に察知できるようです。
不安や悩みを取り除いてあげられたらいいなという想いが強く、困っている人を放っておけない気持ちになりやすいということも。
感受性が豊かな分、周りの人に影響も受けやすく、愚痴や不平不満などのネガティブな環境に身を置くと、途端に気が滅入って体調を崩しやすくなる人もいるようです。
「共感性」をコントロールする力
これまで20年以上にわたり人と関わる仕事をする中で、対人支援人数は延べ7,000人以上になり、営業先での顧客対応なども含めると、少なくとも20,000人以上の人とは1対1で対話をしてきました。(2021年9月現在)
子供の頃から「人と接する仕事がしたい」と思っていたのも、私の中にある「共感性」の影響だったのかもしれませんが、今振り返っても20年間の仕事選びに後悔はありません。
ただ正直な話をすると、人の感情に飲み込まれてしんどくなってしまった時期がありました。
「まわりの人の影響を受けやすい」という特徴の通りだと思いますが、ある日突然、自分の感情が全くわからなくなり、何かしたいという気持ちもなくなり、何も決めることができなくなったのです。
「決める」というと大きな決断をイメージされるかもしれませんが、ごくごく日常的なことが決められませんでした。
例えば「朝起きる時間」や「昼に食べるもの」や「着る服」などです。
ただ身体は日常を覚えていて、時間になれば寝て起きて、歯も磨いて。服は目についた服をコーディネートも考えず着て、会社には行っていました。
当時のことはあまり覚えていませんが、同僚に「全身真っ黒の服着て何かあったの?」と心配された記憶だけは残っています。
タイミングよくゴールデンウィークに突入したので、この状況は長くは続かず、自然と感情は戻ってきましたが、あの時の経験は今でも思い出すたびに、何だったのだろうと不思議な感覚が全身を襲います。
不安とか恐怖とかではないんですよね。
何とも言語化できない感覚だったのです。
この経験をきっかけに、私が意識し始めたのは相手の感情に入り込みすぎないこと。
いわゆる「共感性のコントロール」です。
ある方から「ゆきのさんは、傾聴だと特に意識しなくても平均以上に傾聴できているから、逆にコントロールしないと自分がつぶれるよ」とフィードバックを受けていてもピンと来ていなかった私。
ちょうど当時はカウンセラーとして駆け出しで、基本スキルである「傾聴」のトレーニングを徹底的に受けていた時期でもありました。
「傾聴ができている」という自覚が全くなく、先のフィードバックも半信半疑で、とにかくトレーニングしなきゃと焦っていたことをハッキリ覚えています。
ただ、実際に自分の感情が分からなくなった時にはじめて、共感性をコントロールする大切さを自覚することができました。
一方で、経験を積めば積むほど「目の前の人に対してもっとしっかり向き合っていきたい」という気持ちが強まっていったもの事実です。
相反する気持ちに葛藤していた私がこの頃から意識しはじめたのが「ひとり時間」を増やすことでした。
元々ひとり時間がないとストレスが溜まって発狂してしまうタイプではありましたが、一人の時間を増やして、自分が心が楽しめることだけをする時間をつくることにしたのです。
思えば自分の感情が分からなくなった時、自分の感情と向き合う時間が皆無でした。
心の中がまわりの人の感情で埋まってしまって、自分の感情がいるスペースがなくなってしまったのかなと振り返っています。
誰にも気を遣わず、誰にも遠慮せず自分が楽しめる時間を持つようにすることで、間接的ではありますが「共感性のコントロール」ができるようにもなりました。
根っからの甘え下手(拒絶が怖い)で、弱音を吐けない(がっかりさせたくない)というところもあり、なかなか人に相談することが苦手な私にとっては、ひとり時間で自己対話をすることが癒しにもなったのかもしれません。
「共感性」を活かした個人セッション
組織人事コンサルタント/キャリアコンサルタントとして活動している現在は、自分の強みである「共感性」を活かした個人セッションを展開できているかなと感じています。
キャリアトランプ®などのツールを活用したセッションは、決まった型はありますが、そのツールを使う前にしっかりとお悩みやセッションを通じて得たいゴールを明確にし、そのゴールまでの最適なメニューを組み立てています。
目の前にいるクライエント様が描いているゴールを、自分事のように捉えられるのは共感性があるからこそ。
またクライエント様がうまく言語化できない感情を、私が味わった感情で言語化することも喜ばれていることのひとつですが、これも共感性のおかげかなと思っています。
これからもクライエント様のお役に立てるよう共感性は磨いていきたいです。
その反面、同じくらい気を付けていることがあります。
それは、相手を決めつけて自分の枠組みに当てはめてしまうこと。
自分の心の中を明確に理解することも難しいのに、相手の心の中なんて本当のところはわからない。
— 宮治 有希乃|人と組織の自走力を高める人 (@ymiyaji7920) October 8, 2019
対人支援や人事経験が長くなるとある程度は汲みとれるようになるし、ズバリ当たることもある。
でもそれで相手を決めつけて自分の枠組みに当てはめるのは要注意。真の想いをキャッチできなくなる。
ある勉強会に参加した時に「宮治さんって、規則正しい生活してるんでしょ?ライフログとか絶対好きだし、オススメとかしているよね。」と初対面の心理カウンセラーの方に言われたのですが、全くの見当違い。笑
ただその方は勉強会中、ずっとこの枠組みにあてはめて私を見ていたので、フィードバックも的が外れまくっていて本当に居心地が悪かったです。
私の実態と言えば、フリーランスになってからというものの毎日決まった時間にどこか行くとか、何かするという生活ではなくなったので相当不規則な生活ですし、ライフログは苦手です。
「ライフログを取り入れたほうがいいな」と思うクライエント様には、信頼している有能なライフデザイントレーナーを紹介します。
猛烈な居心地の悪さを感じながらも我が身を振り返り、改めて「相手を決めつけない」「共感性を履き違えない」「目の前の本質にしっかり向き合う」と心に誓いました。
これからもクライエント様のお役に立てるよう「共感性」を発揮していきます。
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宮治 有希乃
組織育成パートナー
ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。