ポジティブ疲れを救ってくれた「陽転思考」

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今回のコラムでは、私の生きる土台となった「陽転思考」をご紹介します。

私は陽転思考に出会い、物事の捉え方が変わり、見える景色が変わりました。

心地よい気持ちで過ごせる時間が増え、行動的になっている自分に驚いたことも何度あったか数えきれないほどです。

無理せず大変だとも思わず、自然に。

「やりたい」と思ったことができるようになり「行きたい」と思ったところへ行けるようになってきました。

そして、本当に不思議でしたが「陽転思考で人生が好転した体験を、かつての自分のように苦しんでいる人に届けたい」

こんな想いまで芽生えてきたのです。

人生を変える一冊との出会い

「人生を変える1冊がある」

「その出会いの場が本屋だから楽しいんだ」と、本屋一筋42年の父が話してくれたことがあります。

私にとっての「人生を変える1冊」は間違いなくこの本です。

こうして私は世界No.2セールスウーマンになった和田 裕美 著

私がこの本と出逢ったのは、2007年の冬。

この年から外資系の人材総合サービス会社で働くことになった私は、IT専門の派遣営業として働いていました。

上司や先輩のサポートのおかげで、少しずつ結果も出せるようになってきましたが、どうしても飛び込み営業への苦手意識だけは何をやっても消えず苦しむ日々……。

現状を打開するためのヒントを求めて立ち寄った本屋さんで、偶然この本が目に飛び込んできたのです。

特に平積みになっているわけでもなく、目立つところにあったわけでもないのですが、「世界No.2」という文字が浮き出て見えて、気付いたら本を買っていました。

「世界No.2のセールスウーマンって、本当にバリバリなキャリアウーマンなんだろうなぁ」

と勝手に想像していたのですが、本を読み進めるうちに印象がどんどん変わってきてビックリ!

和田さんは、ものすごいエネルギーと行動力を持っている方だと想像通りの印象を持った反面、それ以上に身近にいそうな親しみやすい雰囲気が伝わってきて、とても親近感が沸いたことを覚えています。

本の内容はもちろん勉強になることが多く、営業活動にも活かしてきましたが、私は和田さんご本人のことをもっと知りたくなり、その時発売されていた和田さんの本をすべて買って、一気に読みました。

そして、本を通して陽転思考という考え方をはじめて知ることができました。

和田裕美さんとの記念写真

▲本を読めば読むほど和田さん本人に会ってみたくなり、講演会やセミナーに足を運ぶようになりました。和田さんは「歩くパワースポット」で会うたびに毎回元気をもらっています。私もそんなパワースポットになることが目標です!

ポジティブ疲れに光が差す

営業の仕事をすることが決まった時、1日1冊を目標に営業に関する本を読んだり、営業の仕事をしている方のお話を聞く機会を積極的に持つように心がけていた時期があります。

その過程で学んだのは「ポジティブ思考」でした。

いつでも物事をポジティブに捉えることが成功の秘訣!

だから「泣いたり、落ち込んだり、悲しんではいけない」という考え方です。

自分で言うのもなんですが、わりと素直なタイプなので

「よし!ポジティブ思考だ!」

と、まずは実践してみることにしました。

仕事やプライベートで泣きたい時も、落ち込みたい時も、悲しくて仕方ない時も「ネガティブは悪!」と言い聞かせ「ポジティブ、ポジティブ」と呪文のよう唱えながら、とにかくポジティブなことを意識するよう頑張ること2か月。

無理している感覚もありながら3か月目に突入したころには確かに常に前向きで充実している感覚があり

「ポジティブ思考ってすごい!」

と、妙な興奮状態だったと言っても過言ではありません。

ただ、3か月も経ってくると段々「ポジティブ」という言葉を口に出すことが苦痛でしんどくなっていました。

自分で言葉に出すことができなくなってきただけはなく「ポジティブ」という文字を見たり、音を聞いたりするだけで、ものすごく疲労感を感じるようになってきたのです。

私は基本的に心配性の不安症、ネガティブなことを考えてしまう傾向が強いタイプなので「ポジティブ、ポジティブ」と無理やり本当の感情に蓋をしていたことが原因だと思い当たりました。

それでも営業で結果を出している人の多くが教えてくれたポジティブ思考を身につけなければという焦りと

「どうしてポジティブなことが考えられないのだろう」

と自己嫌悪を繰り返し、完全に負のループに……。

「この状況を何とかしたい!」

と、何かポジティブになれるヒントがないかと立ち寄った本屋で出逢ったのが、冒頭でご紹介した和田さんの本こうして私は世界No.2セールスウーマンになったなのです。

そして、この本をきっかけに和田さんの本を読む中で陽転思考という考え方を知り、ポジティブに疲れてきっていた私は、どこか癒された気持ちになりました。

陽転コミュニケーション

▲市販の本だけでなくリアル和田さんから陽転思考を学びたくなり、東京へ。この時から学びのために東京をはじめ、全国各地に行くことが習慣になりました。

「ポジティブ思考」卒業宣言

陽転思考とは「ネガティブな感情や事柄も受け入れて、その中から『よかったこと』を探して気持ちを切り替えていく」という考え方です。

「泣いてもいいし、落ち込んでもいいけれど、そのままの状態でずっと過ごし続けるのか」

それとも「そのネガティブの中から『よかったこと』をひとつでもみつけて気持ちを切り替えて過ごすのか」

「あなたはどちらを選びますか」ということです。

ちょうどその時、私は自分の法知識の認識不足が原因でお客様にご迷惑をおかけして落ち込んでいました。

問題が解決した後も落ち込み続けてしまい、なかなか気持ちの切り替えができていなかったので、試しに和田さんの提唱されている「よかった探し」をしてみようとトライ!

「こんなにネガティブなのによかったことなんてあるのかな」

と半信半疑ではじめた「よかった探し」ですが、3秒後にはすぐによかったことが思い浮かびました。

「法知識が深まってよかった」

「お客様と腹を割って真剣に話せたことで関係性が強まってよかった」

「フォローしてくれた上司の頼もしさに気づけて良かった」

ひとつどころか、結果的に8個もよかったことがみつかったことに驚きながらも、よかったことがみつかるたびに、不思議と気持ちが軽くなっていきました。

さらに驚くことに、

「こんなによかったことがあったんだから、落ち込んでるよりもっと法律の勉強して次に活かそう」

「せっかくお客様と深くコミュニケーションが取れたのだから、次の商談ではこんな話をしてみよう」

ということまで、次にやってみたいことまで浮かんできたのです。

ものすごく不思議な感覚でした。

この不思議な感覚が心地よかったので、ネガティブな感情も無理に蓋をしないことにして、落ち込むときはとことん落ち込んでいいと自分にOKを出すことにしました。

ただ、ダラダラずっと落ち込むことはしたくないなと思い、はじめのうちは強制的に24時間以上落ち込んだら「よかった探し」をすることに。

最初の頃は自分で決めた24時間を過ぎても落ち込み続けていることばかりで、強制的に「よかった探し」をしていましたが、2週間ほど経ってくると、24時間かからずに自然と「よかった探し」ができるようなっていきました。

「よかった探し」をして、少しでも早く気持ちを切り替えたほうが、楽しく過ごせると自分で気づいてきたからです。

「落ち込んでもOK」ということで自分の感情に蓋をしなかったからか「ポジティブ思考」の時のような疲れは全く感じません。

また「よかった探し」をすることで、日常的に起こるネガティブな出来事に対しても「なんかいいことないかな?」と考える癖がついてきて、落ち込むことが格段に減りました。

こうなってくると、もっと陽転思考を身につけたいという意欲が増してきます。

陽転思考を東京まで学びに行ったり、陽転思考を定着させる場を作りたいと思い、読書会を主催するようになったことで、全国各地に陽転仲間ができ、さらに私の生活を豊かにしてくれました。

陽転思考を実践するようになってからも、ポジティブ思考こそ素晴らしいと熱心に語ってくれた方もいましたが、私は「ポジティブ思考を卒業します!」と宣言し、ポジティブ思考の呪縛から解放され、本当に心が軽くなりました。

陽転わくわく読書会

▲陽転思考の定着させる場として、「陽転わくわく読書会in札幌」という読書会を開催していました。私の読書会は、チャートを使って進めるのが特徴です。札幌だけではなく、東京、広島、旭川含め全部で25回、ありがとうございました!

前を向くことを選択する人生

陽転思考と出会って10年が経ち、陽転思考は私の土台になっています。

陽転思考の考え方が私にマッチした一番の理由は、大きく3つあると思っています。

「ネガティブでもOK」で、自分の感情に蓋をしなくていいこと

自分の感情に無理やり蓋をすると、その瞬間は大丈夫でも、いつか爆発してしまいます。

この苦しさはポジティブ思考を身につけようとしていた時に経験していたので、余計に「自分の感情に素直でいい」という陽転思考の考え方に安心感が持てました。

とことん泣いてもOK!とことん叫んでもOK!我慢することはひとつもありません。

「自分に嘘をつかないでね」と、そっと包み込んでくれるような優しさも感じています。

いつまでネガティブの中で過ごすのかを自分決められること

私は強制的に24時間ルールを設けましたが、陽転思考は感情と向き合う時間は自分で決めることができます。

1秒でも1分でも10分でも1時間でも3時間でも。

半日でも1日でも3日でも1週間でも。

1か月でも1年でも何年でも。

ネガティブを選択するのは自分なのです。

無理やり感がなく、自分のペースを保てることでプレッシャーや焦りを感じる要素がないのが好きです。

今ではネガティブできる時間が長いともったいないなと思えてきたので、24時間かからずに気持ちを切り替えられるようになりました。

気持ちを切り替える方法がはっきりしていること

ネガティブな世界にいる時ほど思考も感情もパワー不足になりがちなので、やみくもに気持ちを切り替えようと思ってもうまくいかず、さらにネガティブになるという状況になりやすいです。

そんな時に「よかったことは何ですか?」という明確な質問があることで、思考のアンテナが「よかったこと」に向き、答えを探していくうちに自然と気持ちを切り替えることができました。

「よかった探し」の他、「できたこと探し」も合わせてやっていくと自信もついてきますよ。

偶然出会った陽転思考のおかげで、ネガティブ体質な私でもネガティブな世界にいる時間が減ってきていることを実感しています。

もちろん、大切な人の死などよかったことがひとつもないこともあり「よかった探し」ができないこともあります。

そんな時は、よかったことではなく、そのことが「私に伝えたかったメッセージ」を探すようにして、前を向く選択を続けてています。

ネガティブを選択するのも自分、前を向く選択をするのも自分。

あなたはどちらの選択をしますでしょうか?

「事実はひとつ 考え方はふたつ」

たくさん選択肢があったら迷ってしまうけれど、二択なら選びやすい。

ネガティブの中にいても、二択なら迷わず前を向くと選択できる。

そんな分かりやすさも陽転思考が好きな理由です。

「陽転」×「営業」白熱ツアーの集合写真

▲「陽転」×「営業」白熱ツアー!2018年、久しぶりに和田さんに会いに行ってきました。札幌会場なのに、秋田、東京、大阪、島根、福岡・・・全国各地から懐かしい陽転仲間が大集合!


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宮治 有希乃の写真

宮治 有希乃

組織育成パートナー

ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。

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