模擬面接官トレーニングで学んだ評価基準の重要性
2020年6月26日
カテゴリー: 組織育成コラム
2020年6月13日に所属しているキャリコンサロンを運営しているHRラボ株式会社主催のキャリアコンサルタント技能更新講習を受講しました。
テーマは「就職活動支援のための模擬面接官トレーニング」。
社外人事として採用面接官として採用活動をし、求職者向けに模擬面接官もしている私にピッタリのテーマの講習が、オンラインで受講できるというまたとない機会に恵まれました。
会社員時代を含めると、通算13年ほど面接官の経験はありますが、現場のたたき上げで培ってきたスキルなので、体系的に学べる機会は本当に貴重です。
学生・転職希望者の就職活動と企業の採用活動の実態を知り、模擬面接官として支援するスキル、視点、面接力を上げるためのカウンセリングを身につけられる内容でした。
Chapter1. 昨今の採用マーケット動向 Chapter2. 採用する企業側の視点 Chapter3. 面接で評価されること Chapter4. 面接で質問されること Chapter5. 模擬面接ロールプレイング |
今回の講習はキャリアコンサルタント向けではありますが、企業側の視点も盛り込まれていたこともあり、多角的に学ぶことができたのが大きな収穫です。
その学びの中で、今回は「評価エラー」についてご紹介していきます。
評価エラーは、採用面接だけではなく、人事評価全般で起こりやすいことです。
評価をする役割を担っている人は、まず「こんなエラーが起きやすいんだな」ということを認識しておくこと。
そして、その上で客観的視点を持てるよう努めることが大切となります。
客観的視点を持つためにも、ぜひどんな評価エラーがあるのか把握しておくことは非常に大切だと考えています。
評価エラーとは
評価エラーとは文字通り、評価をする際に発生するエラーのことです。
人が人を評価する場合、評価者自身の価値観や考え方、思考や物事を見る癖などが評価に影響すると言われています。
評価者の特性により評価が変わるようでは、公平な評価はできません。
正しい評価を行っていくためには、まずどんな評価エラーが起きるのか評価者がしっかりと理解することが大切です。
そして評価者自身が陥りやすい評価エラーについて理解することで、客観的に視点で評価できるようになっていきます。
また組織内で評価をする場合は、評価者同士の評価エラーの癖を理解し補い合うことが必要不可欠です。
今回の講座で評価エラーを学び直し、評価者の自分の癖を再確認することができたのが、大きな収穫となりました。
今は組織内で評価をする立場ではありませんが、面接官として応募者の方と話す機会はありますので、さらに理解を深めておこうと考えています。
主な評価エラーについて
評価エラーについては機会を新ためて詳しく解説するとして、今回は講座で取り上げられなかったエラーも含めエッセンス的にご紹介いたします。
ハロー効果
目立った特徴に引っ張られて、他の評価がゆがめられること。営業成績が抜群だから、他の項目も無意識に高評価をつけてしまうのが一例。
中心化傾向
優劣関係なく、評価が中間地に集中する傾向のこと。5段階評価の場合、評価が3に集中しやすい。
極端化傾向
中心化傾向の逆パターン。評価に差をつけようと極端な評価になること。
寛大化傾向
全体的に評価が甘くなること。過大評価は被評価者の成長を妨げる結果に繋がることもある。
厳格化傾向
寛大化傾向の逆パターン。全体的に評価が厳しくなること。
論理誤差
事実確認をせず、評価者の思い込みや推論で評価すること。●●大学だから能力が高いだろうと勝手に判断して評価してしまうのが一例。
対比誤差
評価者自身の能力を基準に評価すること。評価に慣れていない評価者が起こしやすいエラーと言われている。
例えば、接客が得意で事務処理が苦手な評価者は、得意な接客は厳しく評価する一方、事務処理は自分と比べてできていると判断し、評価が甘くなりやすい。
期末誤差
評価期間終盤の状況や実績に全体の評価が影響されること。期首のことは忘れやすいため、期末だけが評価対象になりやすい。
逆算化傾向
先に評価結果を決めて、その結果になるよう逆算して各項目を調整すること。
親近効果
評価者に近い立場の人や共通点が多い人に対して、評価が甘くなること。対比誤差同様、評価に慣れていない評価者が起こしやすいエラーと言われている。
御社に合った評価基準をつくっていきませんか?
人が人を評価するというのは本当に難しいことで、正解があるものではありません。
熟練の評価者であっても、100%自信を持って判断できる人は少ないのではないでしょうか。
ただ組織内に明確な評価基準があれば、その基準に基づき評価エラーが起きていないか確認することができます。
組織の中で何を評価するのか。行動なのかマインドなのか。結果なのかプロセスなのか。
評価基準は組織ごとに変わりますが、どの組織でも明文化された評価基準は必要不可欠です。
「評価基準はないけど、査定に必要だから評価してね」と言われるだけでは、評価者は自分が良いと思うことを基準に判断せざるを得ません。
その結果、評価エラーが多発し、客観的な評価ができなくなってしまうのです。
当事務所では、人事制度構築を積極的に行っており、中でも人事評価制度に関するご相談が増えてきております。
例えば、社長ひとりで社員の評価や処遇を決めていた企業様からは、組織規模の拡大ともに制度整備の必要性を痛感したが、どこから手を付けていいか分からないという内容です。
また、利害関係が影響して制度構築の議論が進まなかった企業様では、アドバイザー的な立ち位置で会議のファシリテーションを担当したこともありました。
まずは事前のヒアリングで状況を整理し、第三者の視点で客観的に御社に合った進め方をご提案いたします。
その腕、制度構築はもちろん、導入・定着支援まで責任を持って対応しておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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宮治 有希乃
組織育成パートナー
ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。