【連載企画#129】キャリア自律

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この記事は、キャリアコンサルタントコミュニティ「キャリコンサロン」内で発足された「編集部」の【note週イチ投稿企画】で執筆した記事をベースに掲載しています。

キャリア自律の歴史

キャリア自律とは、個人が企業や組織に依存することなく、自らのキャリアを主体的に開発していくことです。

日本では令和時代に入ってから触れる機会が増えた考え方ですが、キャリア自律の概念は1990年代後半から2000年代にアメリカで確立されたと言われています。

提唱されたのは1980年代。

今から20年以上前から変化する雇用環境に適応していくために個人が自身のキャリアと向き合い、学習し、キャリア開発を行ってきました。

一方、日本はキャリア自律の後進国です。

個人のキャリアは企業や組織の中で開発されるもの。

外部の視点が入るキャリア自律を推奨したら、社員が転職を考え、人材が流出してしまう。

このような想いがキャリア自律が避けられてきた要因と言えます。

しかし、既に日本的雇用慣行は崩壊し、働く価値観も多様化しました。

個人が自分のキャリアを自律的に考えることはもちろん、企業や組織も変わる必要があります。

ひとつの枠組みの中だけでキャリアを考えるのではなく、広い視野で一人ひとりのキャリアを支援する方向に舵取りする必要があるのです。

企業や組織がキャリア自律を支援する方法

では、企業や組織はどのようにキャリア自律を支援したらよいのでしょうか。

私が考える支援のスタートは、自己理解の場を提供することです。

私はキャリア自律の支援をについて相談を受けた際は、自己理解に役立つアセスメントの受検やグループワークを中心としたキャリア研修を提案しています。

そして次のステップとして個別のキャリアコンサルティングを行い、一人ひとりが描く未来に向かって行動支援を行うことがほとんどです。

さらに副業や社会活動がしやすい仕組みづくりや自己学習の場を提供できるよう働きかけています。

キャリア自律を定着させる方法

人の数だけキャリアがあり、これがキャリア自律の正解はありません。

鉄板の支援法もありません。

何を学べばよいという万能な学習もありません。

だからこそ奥深く、難しい。

一筋縄ではいかないのです。

短期的に成果が出るものではないため、意味がないと施策をとん挫させてしまっては、キャリア自律を定着させることはできません。

キャリア自律が定着すると、個人がそれぞれスキル向上や描く未来に向かって仕事に取り組めるので、前向きな気持ちで働く人が増えてきます。

その結果、企業や組織全体が活性化しますが、そこに至るまでには一定の期間は必要です。

半年、1年、2年、3年……。

どれくらいの時間を要するかは個別の事情になりますが、最初に決めた計画は一通りやり切ること。

目の前の業務と同様の優先順位でキャリア施策に取り組むこと。

3か月くらい経過すると、キャリア施策の優先度が下がりがちです。

専任担当者がいない場合は、気づいた時には最初からなかったかのようにキャリア施策が忘れ去れていることも珍しくありません。

キャリア自律を根付かさせるためには、根気よく優先度高く取り組むことが必要不可欠です。

もし自社内で運用する自信がない場合は、外部キャリアコンサルタントの活用も検討することをお勧めいたします。

もちろん私も対応いたしますので、お気軽にお声かけくださいませ。


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宮治 有希乃の写真

宮治 有希乃

組織育成パートナー

ITベンチャーと人材ビジネス業界で11年間、組織人事・キャリア領域に取り組み、2018年に独立。現在は中小企業向けに、関係の質を高める組織育成プログラムを提供中。「関係の質」を高める「コミュニケーションスタイル診断」を活用し、研修やコンサルティングを通じて組織パフォーマンスの向上と健全な職場環境づくりを支援している。

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